介護コラム

  長かった冬が、春一番の訪れと共に今年も明けようとしています。春は二度訪れると言われております。一度は「光の春」で、続いて「気温の春」といった具合です。皆様はどちらの春が待ち遠しいでしょうか。

  曲がりなりにも都市生活者気取りの私にとっては空調の効いた室内で、エアコンの恩恵を受ける身ですから、暖かくなる日が待ち遠しいなぞ、厳寒の地に暮らす人々のことを思ったら恐れ多くて言えません。ただ、そんな私でも春の一番の楽しみは、何といっても雪解けとともに現れるフキノトウです。土の中から顔を出す手前のものを必死に探す醍醐味はまるで宝物探しさながらです。

 北欧に暮らす人々にとっては、冬の生活の辛さは寒さよりも、ほとんど日照が望めないどんよりとした曇り空が長期間続くことにあると聞きます。それゆえ、春の到来はすなわち、「光の春」を待ち続けた心に灯される福音なのでしょう。果てしなく続くのではないかと思われるほど暗い冬が、3月、徐々に日照に変化をもたらし、人々の気持ちも日増しに明るくなっていき、4月、春の到来です。待ちわびたように枝に膨らませた木の芽と一緒に心から湧き出る喜びを表現する人々の姿は、日本の春とは違った風物詩です。
 
 現在、わが国では介護・福祉関係の従事者の多くがいわゆる厳しい冬の最中に置かれています。介護の人手不足の問題や低賃金労働の問題、介護保険制度自体の問題等々。政治経済的な課題が山積しております。読者の皆様にもぜひ関心を持っていただければ幸いです。

  地球温暖化の問題が環境問題のコンセンサスを喚起するきっかけとなっているように現在起こっている介護・福祉の問題も社会のコンセンサス形成と思考の転換が切に望まれています。このままだと「担い手の側から、介護保険が崩壊の危機に瀕している」と。(樋口恵子 NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長) 

  厳しい冬が明けるまで、寒さをしのぐため介護の現場にいる私たちは身を寄せ合って体を暖め合っています。お客様の「ありがとう」の言葉に皆が寄り添いながら…。



  新井教泰さん
アルタクラッセ二子玉川支配人・介護支援専門員

介護付有料老人ホーム
アルタクラッセ 二子玉川

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