介護コラム

 謹賀新年。新春のお祝いを申し上げます。皆様、2008年のスタート。いかがお過ごしでしょうか。毎年、クリスマスのお祝いから始まり、初詣に成人の日といったお祝い事が続く時節柄、決まって思い浮かぶことばは「平和」です。家族や大切な人とのかけがえのない時間を過ごすことが社会的に保証されているようで、心温まる気持ちになれるのが嬉しいですね。このような特権は、いつまでも大事にしていきたいものです。世の中が「平和」であり続けられればこそ。

 先日、次のような出来事に遭遇しました。ホームのとあるお部屋の中からご婦人がポットを小脇にかかえて、スタッフに歩み寄って「朝沸かしたお湯が冷めちゃってね」と。すかさずポットを受け取りスタッフは「はい。熱いお湯に入れ替えましょうね」と蓋を開け、流しに冷めたお湯を流そうとしたその時「ちょいと。あなた。もったいないわよ!」力強い調子のことば。「戦争を経験したわたしたち大正生まれの妖怪ばあさんには、お湯を捨てるなんてもったいなくて出来ないわよ。」普段の温厚な素振りからしては意外ですが、ユーモアの中にも、真剣さがひしひしと伝わるご主張です。

 最近では『MOTTAINAI(もったいない)』を世界共通語にしようと、ケニアのマータイさんが、来日の経験から提唱した運動が、じわりじわりわが国にも逆輸入され活動の輪が拡がっているようです。くだんのご婦人の主張も、『もったいない』の精神が戦争体験によって生活意識の根底にある信念にまでなっていて、ただただ敬服です。戦争を知らぬ世代には、一から学んでいかなければならないくらい大事なことですね。

 戦争を経験した人と戦争を知らない人とではきっと何よりも人生に対する姿勢が異なることを教えられます。モノひとつとってしてもその扱い方が異なるように思います。モノのひとつひとつ、ひとりひとりの人間、ましてや命そのものに対してならばなおさらに、感謝の念、謙虚さを持つことが大切なのですね。新しい年をはじめるにあたり、抱負を次のように、心に刻んでみようと思います。「365日のうち一日でも多く、『もったいない』を実践していけるか頑張ってみる。」
今年もよろしくお願いいたします。



  新井教泰さん
アルタクラッセ二子玉川支配人・介護支援専門員

介護付有料老人ホーム
アルタクラッセ 二子玉川

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