介護コラム

 今年も残すところ一カ月足らずとなりました。私たちのホームでも、早々11月中旬にクリスマスイルミネーションの点灯式を行い、ご入居者様と共に記念撮影を行いました。イルミネーションもここ数年で、発光ダイオードを使ったものが登場して、目を見張る位です。テクノロジーの進歩に伴い、いつの間にか都市型人間の体内時計ならぬ「心時計」の刻まれ方もスピードアップされてきたのではないかと思います。でも、発光ダイオードの光よりも、豆電球、ムギ球の光が懐かしく、ほのかな黄色を帯びた白い光がもみの木の緑に程よく調和して、冬の寒空のもと心の中までも暖かく灯してくれるような気がいたします。

 高齢者の方、障碍をお持ちの方と接していると、自分の「心時計」の秒針の進み具合を気付かされるような出来事に数多く直面します。たとえば、耳が遠いお方から呼び止められて二言三言の会話を交わす時など。自分の「心時計」の秒針のカチカチ音が徐々に大きくなっていき、ついには時報を知らせるようなピッピッ音がカウントダウンし始めたと思いきや、「ところで何の御用ですか?」のきめ台詞がついに登場。会話はタイムアップとなってしまう。そんな具合です。
 
 また、お食事の介助を行う場合でも、せっかくきれいに盛り付けられたご馳走も介助者の「心時計」次第で、美味しくなく味気ないお食事となってしまうこととなります。ついつい介助のスピード加減が、速まってしまったりすることから起きることです。いつでも自分が食べているつもりで介助して差し上げ、自分も一緒に口を動かすくらいの心持ちが必要です。

 ご自宅で介護されている方にとっては、食事のみならず多々の所用にかかるお手間も相当です。大変の一言では済まないものです。でも、同じ事をするにしてもその「心時計」の進み具合は他人では調整不可能です。自分にしかその時間は変えられないのですからせっかくのことなら、一呼吸の間を置いて、時々ネジを巻きながら未来の時間を「心時計」に蓄えつつ、ときには秒針の動きを楽しむくらいで丁度よろしいのでは。
 早いもので2007年も、もう師走です。



  新井教泰さん
アルタクラッセ二子玉川支配人・介護支援専門員

介護付有料老人ホーム
アルタクラッセ 二子玉川

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