ふと、立ち止まる時間が最近多くなってきました。きっと秋めいて体内時計がオータムモードにリセットされようとしているせいからだと思います。世の中のサラリーマンさんも、クールビズから一転、ネクタイ着用モードへの切り替えの時期なのでしょうね。 GT読者の大半は女性だとお聞きしていますが、ご主人の衣替え真っ盛りといった頃でしょうか。

 季節の変わり目には、「認知症」の方々にとっても時空変化の影響をうけ精神状況も変化しやすくなります。どうやら、すべてヒトには体内のホルモンサイクル、ホルモンバランスが機能していて、その動きに左右されて、気分やら、お肌の状態やら、しいては精神状態までも変化する仕組みが備わっているようです。

 「認知症」の方と接していると、不可思議な場面に出くわすことがあります。原因は分かりません。いや、理解しようといつも試みはするのですが、全戦全敗です。だから、私たち介護職員と呼ばれる側の人間は、最終的にその方にお付き合いし、深夜の語らいの場が生まれその内、夜が明けてしまったとか…。同じ場所を何度も行ったりきたりの、にわかウォーキングがスタートしたり…。前日の夜には、意欲満々、元気ハツラツであった方が、翌朝には生きるのが辛くて悲しくて…なぞと訴えられたりの突然異変が訪れたり…。

 谷口孝男さんという哲学者が論文で次のように語っています。
「『人間らしさ』にせよ『尊厳』にせよ、相互主体性(相互人格性)、つまり相互的関係行為である『間』というエレメントに存在する…『かけがえのない人間』であることには、他者によって、『代替不可能な人間』として扱われてはじめて、『かけがえのない人間』となるのである。『人間らしさ』も『尊厳』も『かけがえのなさ』も、すべて『間』的概念なのである。」と。

 前回テーマにした「介護する側される側」の相互関係もこの谷口先生の言葉から、紐解くことができそうです。「間」の中に最も重要なことが、隠されていそうです。
そうです、私たちは人「間」なのですから。



  新井教泰さん
アルタクラッセ二子玉川支配人・介護支援専門員

介護付有料老人ホーム
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